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伊勢丹メンズ館 男のこだわり、くすぐり快走(2004.09.09日経新聞)   


35年ぶりの全面改装から10日で1周年を迎える伊勢丹新宿本店(東京・新宿)メンズ館が快走している。年間売り上げは370億円と改装前に比べて約20%も増加。
各ブランドを仕切る壁を撤廃するなど、百貨店紳士服売り場の常識を破った店づくりが、回復基調にある「男性消費」を掘り起こしている。(日経新聞2004.09.09朝刊)


 新宿高島屋は7Fと8Fの一部、銀座三越は6Fが紳士服売り場になっている。伊勢丹はメンズ館(B1~8F)全部が紳士服売場である。階数と面積に相関関係に違いがあるものの、伊勢丹はメンズに力を入れていると考えられる。20%の売上増は、伊勢丹メンズ館の改革にあると言えるだろう。

1. 消費層の拡大
 常識では、1Fを占め、Mastersのゴルフウェア、Dunhill、アルマーニのスーツ、Papasのカジュアル服等、専門店やゴルフ、スーツコーナーなどが並ぶ。私たち30歳代の消費者は、あまり立ち寄らないフロアーである。1万円ではYシャツすら買えない。伊勢丹メンズ館における「Burberry」においては、普通の百貨店なら共存することはない「Burberry」「Burberry of London」「Burberry BlackLabel」「Burberry Golf」が入居する。BlackLabelを購入する若者が、いつかはあのBurberryのコートを購入する時期もくる

2. 需要の創造
 代表的な創造として「男性用化粧品」が挙げられる。花王社の「毛穴すっきりパック」が男子高校生に興味本位で購入されたケースは記憶に新しい。 「おーー、とれた。」と、皆ではしゃいでいたらしい。1Fに化粧品コーナーを創設、入り口から興味をそそっており、上層階には何があるのだろうと探検してしまう。 

3. 「男性消費」に特化 男性はどちらかというと、「こだわり」という言葉に弱い。2,000個限定のZippoライターにシリアル番号が書いてあったり、TUMIバッグの消費者コードを欲しがる行為が、それである。車は動けばいいものではない。V6やロータリーエンジンでなければいけない人もいる。「メンズ館」という名前に、思わず吸い寄せられてしまう。

ライバルの高島屋や京王百貨店も大幅改装を行うと言う。改装は売場のレイアウト変更ではなく、3つの創造や拡大を行わなければ、伊勢丹のような成功は得られないだろう。先駆者の伊勢丹は、今後「男性消費」のリーダーになるであろう。なぜならば、化粧品メーカーは男性化粧品を創れば伊勢丹メンズ館1Fにまずは設置したがるだろう。そのような先行体制があるなかで、ライバルはどのように追従するか注目したい。

by namanama100 | 2004-09-09 15:09 | namanamaコラム

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