カテゴリ:こんな本が好き( 13 )   

経営者の役割   

a0026315_15314636.jpg「経営者の役割」と言えば、Barnardを思い出すだろう。
少し読んでみたので、わが社の経営者を理解するよう心がけてみた。

【経営者のやったこと】
 ・ワークスタイルの変革として、事務所を大幅に変更。
 ・徹底した成果主義システムの導入
 ・経営陣の入れ替え
 ・研修施設とプログラムの充実
 ・大幅な組織改定とシフトによる大幅な中途採用
 ・大胆な決断と実行


【実行による社員の批判】
 ・成果主義によるモチベーションの低下
 ・無能(?)と思われる幹部の投与
 ・「管理」の徹底
 ・モチベーション低下によるサボタージュ
 ・文化の破壊による新文化の批判
 ・独裁者的な決断をする態度
 ・右肩下がりの中の研修費用の拡張の疑問


確かに対立するのは、なんとなく理解できる。
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社員にも、守るべきものがあり、予想できない事柄に対して、拒否反応するのは正常である。
旧経営陣に尽くせば、上手くやり取りできたし、顔も広がり、会社も有意義になるかもしれない。
変わらないといけないのは分かるが、変わることのリスクが大きい分、その確度は増すものである。私も例に漏れず、反対している。

ただ、少し冷静にかんがえみた。(おっ、ポジティブ志向!!)
経営者は、社員のことを考えて、行動しているかもしれない。

会社は、未来永劫続くものとは限らない。この状況下においては、、、、。
そんな中、急に会社が潰れたら我々はどうする?
再就職先はあるか?
社外にも通用する能力はあるか?
社内の派閥が崩壊したときに、我々は何にすがって生活すればいいのか?


そう考えると、「プロフェッショナル」(個の能力)を重視したプログラムや成果主義、価値観の再構築、「守られるもののではなく、守る」という方向転換をしないといけない時期かもしれない。
守るものは、家族であったり、自分。

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いままでは、会社や信頼できる上司に守られていた。これからは自分で守らなければいけない。



そうは言っていないが、そういうメッセージが隠れているかもしれない。

我々は、変化が怖い。
但し、もう、そうは言っていられないかもしれない。
守ってくれないなら、自分から動き出さなければならない時期が来た。
離職する人、会社の方針にのる人、まだじっとしている人、反抗を続ける人・・・・・。

なぜ、そういう方針にして、そういう行動をとっているのかを考えないまま、反抗をし続けていても何も解決しない。
なぜそういう行動を経営者がとったのか、何故社員はそれに反抗しているのかを分かり合い、信頼しあうことができれば、もう少しいい会社になるかもしれない。


今いえるのは、そのくらい。。。。
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by namanama100 | 2005-06-27 15:32 | こんな本が好き

さおだけ屋はなぜ潰れないのか?   

さおだけ屋はなぜ潰れないのか? 身近な疑問からはじめる会計学が、ビジネス書ランキングで上位に位置している。都内の図書館でも40件予約待ちという人気。借りてみようと思ったが、予約してまで待てないので、立ち読みした。内容は想像していた通りの内容であったものの、とても分かりやすく、納得のいく物であった。
最近こういう分かりやすい図書がでてきたというのも、「ビジネス」そのものが一般化してきたのだろう。

でも、私は、以前から気になっていたことがあった。
これに関連して、命題:「商店街の婦人服屋はなぜ潰れないのか?」
だって、
 ・毎日がセール
 ・おばちゃん1人で切盛り
 ・店舗が暗い
 ・でも何故か、馴染みのおばちゃんが居る
 ・有名ブランドでないのに、高い
 ・服のセンスが・・・・
 ・3年以上、そこに飾ってありそう

考えられることは、
 1. 事務所賃貸料がない。(経費が少ない)
 2. メーカーに返品が可能えある。(リスクが少ない)
 3. 家計の柱ではない。(おばちゃんの趣味レベル)
 4. 投資がいらない。(資産調達が不要)


だから、潰れない?
儲からないけど、売れたらその分、利益換算になっていく?
まだまだ知らないことばかり・・・。
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by namanama100 | 2005-03-24 17:53 | こんな本が好き

インタンジブル・アセット~「IT投資と生産性」相関の原理~   

a0026315_16412641.jpgインタンジブル・アセット~「IT投資と生産性」相関の原理~エリック・ブリニョルフソン著、CSK訳・編ダイヤモンド社、2004年

こういう題名には弱い。「見えざる資産」と「暗黙知」で人気の野中郁次郎がよく使う言葉。

コンピュータのハードウェアの投資額1ドルに対し、インタンジブルアセットの平均投資額が9ドルになることが分かった。(p27)

で、インタンジブルなアセットって何だというと、業務プロセス、社員教育、取引先との関係、顧客満足度、社員の忠誠心、企業に対する評価という。確かに定量的に量れない分だけ見えない資産だ。情報投資において見積もりを業者は提出するが、そこまでは見積もりに入れない。ってゆーか、それは知らん。そんなことは自分で考えてほしいものだ。でも、業者は提案書で「このコンピュータを購入すれば、営業管理もでき、迅速な意思決定によって利益をもたらす」と書くはずだから、それに頼る。
ここでいう社員教育や業務改善をやるべきだ!といえば、受注も遅れるだろう。成果主義で、営業マンは、明日の飯がほしいし・・・。ある意味では、ベンダーのそういうところまで、理解しないと、ITはうまく動かないかもしれない。

単に古いテクノロジーを新しいテクノロジーに置き換えただけで、生産性の飛躍的な向上が達成されたわけではない。(p56)
従来の制約がもはや重要でなくなったことに気づき、新しい方法で仕事を行うことに前向きに取り組みだしたのだ。(p56)


うまく言っている企業は、「従来の制約に気づき、新しい方法で前向きに仕事に取り組んでいる」という。
えっ? では、ITって、「制約が気づくためのツール」なんですか? 多くのIT関連の書籍を目にすると、確かにそういう傾向になっている。意図した結果が生まれない、なにか違った形で成果を得るケースが多い。

現在のデジタル事業の環境では、ほとんどの企業はいまだに代替段階に留まっているといえる。このような代替方法では、予定されていた付加的便益はあるものの、新たに導入されたデジタル事業の業務形態が組織の他の側面を阻害する場合がある。(中略)情報技術は事業のやり方を変革できるが、単に既存の業務形態に情報技術をのせるだけでは不十分だということである。企業は業務の進め方や価値創造の仕方についてもっと広い見地から検討する必要がある。(p314)

当たり前の話です。
車は我々をなにも変えてくれない、乗っているだけでは幸せになることはない。高い金払っても、ただ動かして乗っていてもしかたない。
車は、「温泉に行ってゆっくりしよう」とする意志が生まれ、それゆえ高速道路をぶっ飛ばすツールに過ぎないのかもしれない。
「猫に小判」、「豚に真珠」というような諺がある。価値のあるものでも持つ人によって何の役にも立たないことをいう。動かないITや使えないITと言われるのは、そういうことなのかもしれない。
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by namanama100 | 2004-12-17 16:41 | こんな本が好き

ノイマンの夢・近代の欲望   

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ノイマンの夢・近代の欲望情報社会を解体する 佐藤俊樹、講談社選書メチエ、1996年


波田陽区の「**斬り」というのが、流行語を受賞したらしい。私は、「残念!」が受賞するかと思っていた。長井秀和の「間違いない」というほうが、個人的には押していたが。。。

そんな話は、どうでもよく、この佐藤俊樹(一橋大学)は、「情報社会」をバッサリ斬っている
情報社会そのものを斬っているのではなく、「情報社会」が何者かもわからないまま述べられている現状を斬っている。

「自動車が社会を変える」といわれても信じない人でも、「コンピュータが社会を変える」といわれるとなんとなく信じてしまうのだ。(p53)

情報化は社会を変え、新しいコミュニケーション手段、情報量の拡大や迅速な意思決定・・・などいろんなことが言われている情報化。
IT企業が、野球球団を買ったり、ITバブルとか、IT長者とか、確かに夢物語で語られている。つまり、筆者は「情報化社会」は、私たちを豊かにしてくれると、誰もが思っている因果関係が問題と指摘する。そうだよな、通信企業に就職したときから、既に通信はすごい!と教育された気がする。
でも、私たちの生活は、携帯電話代は毎月高いし、ADSLだの、パソコンの買い替えだの、高い金を払っている。ITは私たちに何をもたらしてくれたのか? こんなに毎月支払っているのに・・・・。(「銭金」での出演者も、少ない給料のなかで、莫大な借金と通信料を負担していることに気がついた・・・。)

さて、携帯電話というITが普及して、私たちの行動が変化した。
例えば「待ち合わせに、大抵遅れる」ことだ。
携帯がなかったとき、待ち合わせに間に合わないと相手に心配をかけるから、遅れないように早めに出る。「ごめん、待った?」「ねー、いつまで待たせるよー。」というTVドラマのセリフもなくなった。遅れるなら、携帯メールで「ごめんいましんじゅく、あと20ふんおくれるかもしれない」と送信するだろう。
送信すれば、遅れてもいいか・・?? 寒い街頭で20分待つくらいなら、コーヒーショップで温まっておこうとすれば、喫茶店はITのメリットを享受できるだろう。
私たちは、便利になったのか、ルーズになったのか? そういわれるとITに頼って生きている気がする。

おそらく私たちはこれからも、コンピュータに人間を仮託(メタファー)する誘惑にかられつづけるのだろう。他社をもちたいという欲望、そこに自己の姿を見たいという欲望は、近代社会の人間にとって、やはり抗いがたい魅力をもっているからだ。その欲望がある限り、「情報化」の神話もやはりなんらかの形で行き続けるだろうし、そしてまた同時に、その神話がある限り、その神話のヴェールを破る営みも続けられていくだろう。そのどちらも21世紀の近代社会を生きる人間たちに課せられた課業なのである。(p246)

うーーん、課題は深い。。。。
情報社会に私たちは居る。これは、たしかだ。
ただ、それが何なのかがわからない状況の中、走り続けているのである。山頂を目指し登山をする。「あの雄大な山の頂上を目指し、頑張ろう!」と麓で決断して、上り続けても頂上は見えず、木に囲まれた中を永遠と歩き続けることになる。この方向にいけば、頂上にたどり着く、だから頑張ろうと思う。
頂上に到達したときに、山がどうだったかが回想されていくのだろう。IT社会って、そういうものかもしれない。
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by namanama100 | 2004-12-17 15:34 | こんな本が好き

オープンアーキテクチャ戦略   

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オープン・アーキテクチャ戦略―ネットワーク時代の協働モデル 国領 二郎 (著)

オープン・アーキテクチャ戦略をちゃんと定義すると、本来複雑な機能をもつ製品やビジネスプロセスを、ある設計思想(アーキテクチャ)に基づいて独自性の高い単位(モジュール)に分解し、モジュール間を社会的に共有されたオープンなインターフェースでつなぐことによって汎用性を持った背、多様な主体が発信する情報を結合させて価値の増大を図る企業戦略のことである。(p21)

 ミスミ・プラネット・eBay・Linuxなどを事例に挙げ、「信頼」を提供し、「言葉」を共通化するプラットホームを創るビジネスモデルと言う。
まずは、「どこの骨かわからない、信用のおけないやつ」と考える相手を「信頼できるやつ」へ社会的に認識を変えていくのである。

つまり、ある人は、となりのおっさんより、Amazon.comのほうが信用おけるのである。
10年来の付き合いのあるとなりのおっさんより、社長の顔も見たこと無い、カタカナの会社を信用して、本を買ったり、中古本販売の口座を任せているのである。
不思議な世の中である。
それは、この本に、
相互扶助や開発参加などにおいては、顧客達は単に影響しあう域を越えて、共通の目標に向けて協働構造をつくっていく。これをコミュニティの形成と言ってもよいだろう。(p138)
といっている通り、共通の目標へのコミュニティの形成がポイントである。
全ての人が、となりのおっさんに信用を置けないと言っているのではなく、どのコミュニティに参加しているかによるのである。
Amazon.comやyahooオークションは、コミュニティである。一旦、そこでのルールを違反すると、今後の取引に影響がである。影響が出るため、参加者はルールを守り、規範に沿って対応している。参加者は、そこをコミュニティとして参加していくという認識が、そうさせるのである。コミュニティ=場であり、村であり、仲間、家族である。なるべく阻害されないよう参加し続けるのであろう。

さて、私がなぜBlogに記録しているのか?
これは、このオープンアーキテクチャ戦略の定義にあるように、情報を結合させ、価値を高めて行こうというものでもある。

何か気がついた点があったら、ご指摘頂きたい。

これも勉強です。
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by namanama100 | 2004-11-09 14:35 | こんな本が好き

組織化の社会心理学(その2)   

組織化の社会心理学 カール・ワイク著 文真堂 遠藤雄志訳 1996年

さて、「組織(組織化)」とは離れて、興味を引く文章があったので紹介したい。
これを意識することで、文章や論文、話の内容にも、「面白さ」が生まれる。興味を引き付けることになるであろう。
ぜひ、注意して、論文を書きたいものだ。

人が命題をおもしろいと思うのは、それが今まで知らなかった真実を伝えるからではなくて、今まで誤っていると思っていたのが真実だと伝えるからなのである。(p78)

おもしろい説12のカテゴリー(p68~78)
・普遍性(Generalization)
局所的現象と思っていたのが実は普遍的現象であるとか、反対にゼネラルにみえたものが実はローカルだとわかったとき、そうした観察や説はおもしろい。
・組織性(Organization)
秩序や構造がないと思われている現象に秩序や構造を発見したり、反対に組織的現象に無秩序をみたりすることは、おもしろいだろう。
・因果性(Causation)
因果関係において、独立変数と考えられていたものが実は従属変数で、反対に従属現象と考えていたものが実は独立変数であるということは少なくない。
・反対性(Opposition)
似ている現象と思っているものが実は正反対のものであったり、逆に正反対に見えるものが実は類似していたりする。
・共変動性(Co-variation)
二つの現象間に堂方向に動く関係があると思われているのに、実は逆方向に動いたり反対のことがある。
・共存性(Co-existence)
愛と結婚は多くの人が共存すると考えていたが、実際は共存しないと言われてきている。共存しえないと思われる現象が実は共存しうる。
・相関性(Co-relation)
独立の現象と思われていたものが実は相互に依存していて、関連していて相互依存と考えられていた現象が実は独立している。
・機能性(Function)
目的の達成の手段として有効に機能していないと思われる現象が、実は立派に機能しているというものである。この仮説の反対もこのカテゴリーに入る。
・抽象性(Abstraction)
個的現象と思われていたものが実は全体的なもので、全体的現象と考えられていたものが個的現象だ。
・複合性(Composition)
多くの異質の要素からなると思われる現象が実は一つの現象からなっているとか、単一の要素からなっていると思われる現象が実はさまざまな要素からなっている。
・評価性(Evaluation)
悪と思われているものが実は善であり、反対に善が悪である。
・安定性(Stabilization)
不変に見えるものが実は常に変わっていたり、反対に変化しているようにみえるものが実は変化していない。

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by namanama100 | 2004-10-03 02:39 | こんな本が好き

組織化の社会心理学   


組織化の社会心理学 カール・ワイク著 文真堂 遠藤雄志訳 1996年

本書は、読者がいろいろな理論化を試みたくなるように、また自由な連想をしたくなるように、そして等閑(なおざり)にされていた思考の技法にも目を向けるように書かれていた。(p304)と著者は述べるように、「自由な発想」を頻繁に目にする。メタファー(比喩)としての表現が多い。企業以外の事例を最も多く提示し、思考の技法を学ぶことができた。さらに、企業とは!、組織とは!、成功するためには!等のHow To本に見られる論理の飛躍的な発展とは異なり、その対象物の関係、プロセスを明確にすることで、読者も多くの経験や考えにも応用が可能になる。学術書として、久々にめぐり合えた「いい本」であった。(ちょっと長く、くどいので気力が必要であるが・・・)

組織化とは意識的な相互連結行動(interlocked behaviors)によって多義性(equivocality)を削除するのに妥当と皆が思う文法と定義される。(p4)
組織を悩ますものの多くは、組織自らが創り上げたしたものなのだ。(p8)
組織化の3つの過程(p59)
 1.イナクトメント:経験の特定の部分をさらに注意するために囲い込むこと 
 2.淘汰:その囲いもまれた部分にいくつかの解釈をあてがうこと 
 3.保持:解釈された断片を将来適用するために蓄えること

「組織を悩ますものの多くは、組織自らが創り上げたものなのだ」、90ヘェ~♪♪
組織化の3つの過程を見ると、それは理解できる。イナトメント→淘汰→保持という過程を経て、組織化される、つまりいろいろな出来事などの多義性を削除していくためである。組織化は、このプロセスを通って創造されていくが、どの方向に創造されるかは、組織次第である。組織内で構築された「暗黙のルールブック」を保持しながら、行動していくので、壁に当たったときにその暗黙のルールブックに検索をかけてみるのであろう。
誰が作ったかわからないルールブックを変更することは困難極まりない。
だって、だれの了承を得るの?
自ら制約条件を創造しているために、多義性を削除している。それによって削除されたことが発生すると、実は問題が発生するのだ。
当たり前だけど、驚きだ。何だ、自分たちのせいか・・・、ならルールを変えよう。と思えるかどうかは、この言葉が理解できなければいけない。

組織はこれまで論じたところによると文字通りほとんどナンセンスな活動である戦略形成とやらに相も変わらず時間を費やしている。組織が戦略を定式化するのは、それを実施した後であって前ではない。人は、何か-何でもよい-をやってみてはじめて、それを振り返えることができ、自分がやったことを戦略と結論するのである。組織においてはこの順序が一般にどう(誤って)見られているかといえば、最初に戦略が次に実施というものである。(p243)
「戦略を定式化するのは実施した後であって前ではない」、100へぇー♪♪
3つの過程があって組織化するため、未来形の戦略は、絵に描いた餅に過ぎないのである。戦略を練るのは、過去の保持された情報から創り上げる。そのinputは、イナトメント→淘汰→保持の過程を通り、新たな規範が生まれる。この規範は予想できるものではないことを理解しておかなければならない。面子や予算や目標を厳守し、行動することは発展しないと言われるのは、そのためである。

どこに向かっているのか知らなくてとも大丈夫だ、どこかに向かっている限りは。歩いてさえいれば、そこがどこだかは遅かれ早かれわかるものだ。(p318)
よい戦略がなくとも、突き進みながら調整していけば、よい結果が導く可能性ももつ。動きながら、考えてもうまくいく事例がある。
ある村で村長が今日の狩りをする場所の方向性を決める方法は、動物の骨を焼き、そのひびの方向である。
右にひび割れたから右へと言う風に、判断し、それが適切に動いていると言う。
毎日、獲物が見込まれる方向にいけば、動物も警戒するし、数も少なくなる。ランダムに動くことで、実は大きなメリットが生じていることに気づいていないことも多い。

焼けたカリブーの骨のヒビを“読む”といったランダム化手法の利用にはいくつもの利点がある:(p336-7)
1. もし失敗しても、あなたに累があまり及ばない。
2. 事実に十分に無いときでも、決定が下される。
3. 代替案の間にさしたる違いが無いときでも、決定が下される。
4. ネックが克服されるかもしれない。
5. 競争者が混乱する。
6. 代替案の数が無限になる。
7. 手順が愉快だ。
8. 決定が速やかに下される。
9. 特別な技能が要らない。
10. 金がかからない。
11. その過程にケチのつけようがない。
12. ファイルや保管場所が要らない。
13. 分け隔てのしようがなく、その代替案も等しくウェート付けされる。
14. 解にいたるに論争というものがない。
15. 真の新奇性を呼び込むことができる。
16. 読み方を変えることによって、ツキを変えられる。


まずは、考えて行動し、それを微調整していけばいい。
なんだか、楽観的であるが、そういうものかもしれない。
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by namanama100 | 2004-10-03 02:35 | こんな本が好き

情報技術と事業システムの進化   

情報技術と事業システムの進化 井上達彦著
白桃書房 1998年

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現在早稲田大学商学研究科のIT戦略研究副所長をつとめる井上達彦先生。昨年受験で、「門前払い」を食らった学校である。(関係ないけど・・・)この本は、あくまで(博士)研究論文を本にしたような感じで、先行研究レビューや論文フレームワーク、理論→実践→理論の修正と神戸大学的?な手法で論じられている。
我が東京都立大学ビジネススクール松嶋登先生が、授業中にいつも(耳にたこができるくらい)述べる手法である。井上先生も松嶋先生も神戸大学経営学研究科の出身であり、やはりやり方は似ている。
私も1年後にはこういう論文を書きたい。

著者の一番言いたいところは、この点ではないか?
「一番大きなパラダイムチェンジは、月という時計を週という時計に変えたということでしょうね。今までずっと卸はそんな時計もっていなかった。」(情報システム担当者)(p154)

さて、本題であるが、題名からは全く何が書いてあるか想像がつかなかった。「情報技術」といえば、「IT=コンピュータ」と考えてしまう。ここでは、「情報の収集・編集・蓄積」を行うための手法であり、それはコンピュータであったり、コミュニケーション、飲み会だったりする。
この情報を、意味として変化させ、この意味をもとにアクションするプロセスが、価値創造のプロセスと述べている。
これらは、それぞれ「情報システム」「内部組織システム」「企業間取引システム」の3つであらわされ、3つの相互依存に注目したのである。これら3つが共進して、企業を成長させたり、革新させると述べている。

そこに、もうひとつ重要な「システム時間」という概念を加えている。
月→週という時計を基準に変革したワールドの変革は、取引先にとって、時間を価値としたのである。人・もの・金・情報という経営資源の活用から、時間も大きな機会になりえるのである。スパンが早い場合の価値と遅い場合の価値があることが、今回の発見でもある。
そして、この変革を行うには、「月→週に時計を変えろ!」というトップダウンで動くものではない。上記の3つが上手くそれに適合しなければならないのである。今までの(社内外)情報伝達のやり方、意思決定の方法などを克服できるツールが情報システムなのであり、いわゆるITもその一つである。

革新性を追及するのであれば、相互依存の範囲は限定されている方が望ましいし、逆に成長性を重視するのであるのであれば相互依存性の範囲を拡大していく必要がある。 相互依存性の範囲を拡大するオープン化が、革新的な効果に結びつきにくいのはこのためである。逆に、相互依存性を限定してしまう統合化が、効率的な効果に結びにくいのもこのためである。オープン化と統合化は、どちらかが普遍的により優れた戦略というわけではなく、その企業が追求しようとする効果に応じて、使い分けられるべき戦略なのである。(p252)


【私の疑問】
 ・初めは、「情報技術」といっていたのに、いつの間にか「情報システム」という言葉に変わった。
 ・事例がアパレル3社、しかも神戸2社・京都1社で偏りの感じがする。アパレルであるため生産者・卸・小売・消費者などのものづくり・物流・販売などと言った「企業間取引」に注目がおかれてしまう。金融やサービス業など対象とする産業を拡大すると、「企業間取引」より「顧客・消費者」のほうが相互依存の関係が大きいのではないかと思う。今回は、あくまで「相互依存」を導き出すための事例に過ぎず、「企業間取引システム」と称するのは強引かと思う。
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by namanama100 | 2004-09-06 12:16 | こんな本が好き

アイデアのつくり方(その2)   

以前、「アイデアのつくり方」と言う本を紹介した。

いい一文を見つけた。
事実と事実の間の関連性を探ろうとする心の習性がアイデア作成には最も大切なものとなるのである。(中略)広告マンが、この習性を修練する最も良い方法の一つは社会科学の勉強をやることだと私は言いたい。(p31)

私は社会科学系の本をよく読んでいると、「何故そんなに真剣に読めるのか?」と、聞かれるときがある。
何故と聞かれてもいい答えが思い浮かばなかったので、「やっぱり知識はあったほうがいい」とか言っていたが、今度からはこう答えようと思う。

更に、著者は、アイデアの作られる方法として以下と述べている。
1. 資料集め-諸君の当面の課題のための資料と一般的知識の貯蔵をたえず豊富にすることから生まれる資料と。
2. 諸君の心の中でこれらの資料に手を加えること。
3. 孵化段階。そこでは諸君は意識の外で何かが自分で組み合わせの仕事をやるのにまかせる。
4. アイデアの実際上の誕生という段階。そして
5. 現実の有用性に合致させるために最終的にアイデアを具体化し、展開させる段階。

うん、なんだかアイデアが生まれてきそうな予感・・・。(^^;
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by namanama100 | 2004-08-24 16:10 | こんな本が好き

イノベーションのジレンマ   

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イノベーションのジレンマ~技術革新が巨大企業を滅ぼすとき~
クレイトン・クリステンセン(著) 2001年 翔泳社

すぐれた経営者は、市場の中でも高品質、高収益率の分野へ会社を導くことができる。しかし、会社を下位市場へ導くことはできない。日本の大企業の場合は、世界中の大企業と同様、市場の最上層まで登りつめて行き場をなくしている。(序説)

何故優良企業が失敗するのか?優良企業がたびたび失敗するのは、そのような企業を業界がリーダーに押し上げた経営慣行そのものが、破壊的技術の開発を困難にし、最終的に市場を奪われる原因となるからだという。(p299)


ビジネス書を読み終わって、放心状態になったのははじめてである。
過去の大企業の失敗を事例にとり、分析している。
技術革新は、持続的技術と破壊的技術の2つに分け、前者が過去の経営学者が述べてきた内容であり、後者には通用していない事実がわかる。
持続的技術に対応した経営慣行が破壊的技術の場合は、逆効果を生み、破滅するのである。

破壊的技術は、需要が読めないのである。にもかかわらず、経営者やマネジャーは需要から投資の合否を判断する行動プログラム付けされているものである。当然それを上申する担当者も同様である。
何に適用される条件なのかをよく理解しておけば、そのようなことは起きない。
その冷静な判断ができればと考えるか、その判断を求めるならば、「学習」や「専門化」という組織特性を享受できないというジレンマに陥ってしまう。
このような、ジレンマも存在していると認識するかしないかで、経営方針も変わってくると考える。
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by namanama100 | 2004-08-12 21:49 | こんな本が好き