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組織化の社会心理学(その2)   

組織化の社会心理学 カール・ワイク著 文真堂 遠藤雄志訳 1996年

さて、「組織(組織化)」とは離れて、興味を引く文章があったので紹介したい。
これを意識することで、文章や論文、話の内容にも、「面白さ」が生まれる。興味を引き付けることになるであろう。
ぜひ、注意して、論文を書きたいものだ。

人が命題をおもしろいと思うのは、それが今まで知らなかった真実を伝えるからではなくて、今まで誤っていると思っていたのが真実だと伝えるからなのである。(p78)

おもしろい説12のカテゴリー(p68~78)
・普遍性(Generalization)
局所的現象と思っていたのが実は普遍的現象であるとか、反対にゼネラルにみえたものが実はローカルだとわかったとき、そうした観察や説はおもしろい。
・組織性(Organization)
秩序や構造がないと思われている現象に秩序や構造を発見したり、反対に組織的現象に無秩序をみたりすることは、おもしろいだろう。
・因果性(Causation)
因果関係において、独立変数と考えられていたものが実は従属変数で、反対に従属現象と考えていたものが実は独立変数であるということは少なくない。
・反対性(Opposition)
似ている現象と思っているものが実は正反対のものであったり、逆に正反対に見えるものが実は類似していたりする。
・共変動性(Co-variation)
二つの現象間に堂方向に動く関係があると思われているのに、実は逆方向に動いたり反対のことがある。
・共存性(Co-existence)
愛と結婚は多くの人が共存すると考えていたが、実際は共存しないと言われてきている。共存しえないと思われる現象が実は共存しうる。
・相関性(Co-relation)
独立の現象と思われていたものが実は相互に依存していて、関連していて相互依存と考えられていた現象が実は独立している。
・機能性(Function)
目的の達成の手段として有効に機能していないと思われる現象が、実は立派に機能しているというものである。この仮説の反対もこのカテゴリーに入る。
・抽象性(Abstraction)
個的現象と思われていたものが実は全体的なもので、全体的現象と考えられていたものが個的現象だ。
・複合性(Composition)
多くの異質の要素からなると思われる現象が実は一つの現象からなっているとか、単一の要素からなっていると思われる現象が実はさまざまな要素からなっている。
・評価性(Evaluation)
悪と思われているものが実は善であり、反対に善が悪である。
・安定性(Stabilization)
不変に見えるものが実は常に変わっていたり、反対に変化しているようにみえるものが実は変化していない。

by namanama100 | 2004-10-03 02:39 | こんな本が好き

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